海の不思議 2

2009年4月9日

前回から引き続き海のちょっとした謎に迫ってみたいと思います。

『潮の満ち引きは何故おきるの?』
海の高さは一定ではありません。
1日に2回穏やかに高くなったり低くなったりと、規則的に変っています。
では、何故海の高さは変化するのでしょうか。

潮の満ち引きには太陽と月と地球の位置によってそれぞれの引力がどう働くかが関係しています。
物が2つ以上あるとその間にはお互いに引き合う力『万有引力』と呼ばれる力が発生します。
この力はお互いの物の物質が大きければ大きいほど強くなるという性質があるので、
月と地球のように大きなものになると万有引力は大きな働きをするのです。
海水は、月の引力によって引っ張られて盛り上がり、そこは満ち潮になります。
またちょうど反対側にある海は引き寄せられる力が弱くなるために海水が取り残され、
こちら側も満ち潮になります。
その中間にある海は海水が減るので引き潮となるのです。

引力の説明画像











また地球は自転していて、月は地球の周りを24時間50分かけて公転しています。
この地球の自転と月の公転が日々繰り返されることによって、
地球と月の位置関係は変化していくので潮の満ち引きも毎日繰り返されるのです。
また、太陽と地球と月が一直線に並ぶ新月や満月のときには
太陽と月の引力が地球へ一直線にかかるので、海水が大きく引っ張られる形になります。
このとき、干満の差はとても大きくなり、この状態を『大潮』と呼びます。
それに対して、地球から見て太陽と月が直角の状態に並ぶ
上弦や下弦(上弦とは月の右半分だけが、下弦は月の左半分だけが見える状態)のときには、
それぞれの方向に太陽・月の引力がかかるので干満の差は少なくなります。
この状態は『小潮』と呼ばれます。

日本の太平洋側の干満の差は1.5mあります。一方日本海側の干満の差は小さく40cmです。
世界で最も差が大きいのはカナダのファンディ湾で15mにもおよびます。
アジアでも韓国の仁川という場所で10mほどの満ち引きがおこります。
水が引くと停泊中の船は、まるで座礁したようになってしまうのです。

これからの季節、海に行かれることも多くなると思います。
潮の満ち引きには十分注意をしてお出かけ下さい。

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